生協の白石さん

【質問・意見・要望】
8月になったので、

約束のプールに行きましょう。

【お答え】
涼しげなお誘いありがとうございます。
しかし、生協の一同誰もが、
上記の約束を思い出せずにいます。
このままでは、約束の場所にすら
行けそうにありませんが
どうぞ気にせず、先に行ってください。

生協の白石さんの、
ひとことカードへの
シュールな受け答えの
数々にはまってします。
時には当意即妙な切り返しで、
時にはとんちの聞いた
受け流しで回答する、
白石さんと学生たち。
そのやりとりを、1冊の本に
まとめた形になっているのが本書。

このひとことカードは、
もともとは生協の組合員
(ここでは学生さん)達からの
意見要望を紙のカードで
集めるためのもの。

これが、ある日業務とは
関係のないをきっかけに、
そこから白石さんと学生との間で、
一部本来の目的とは
違う方向へと展開してったのです。

タイトルにもなっている白石さんとは、
生協で働いている職員さん。
そして舞台となっているのが、
東京農工大学小金井キャンパスにある生協。
時には、こんな意見も投稿されてきます。

【質問・意見・要望】
もういやだ、死にたい

【お答え】
生協という時は「生きる」
「協力する」という字を使います。
だからと言って、
何がどうだということもありません。
このように人間は、他人の生死に対し、
呆れるほど、無力で無関心なものです。
本人にとっては深刻なのに
なんだか悔しいじゃないですか。
生き続けて見返しましょう。

この、学生からの投稿を読んだ時、
自分ならどのように回答するか、
考え込んでしまった。果たして、
真面目に返した方がいいのか、
ここは、むしろ冗談で返せばいいのか?

この一文から投稿者の
心情を読み解くのはとても難しい。
ここに投稿してくるのだから、
冗談だと思いますが、
万が一ということもあるから
さてどうしたものかと。

白石さんの答えを読んで恐れ入った。
正面から諭すでもなく、
かといって冗談で返すでもなく、
真面目な答えを匂わせておきながら、
肩透かしを食らわす感じで書きはじめ、
最後は、絶妙な所へ落として行く。

日々投げ込まれる、あまり生協とは
関係のない学生からの投稿。
思わず「ほっほー」と
声を漏らしてしまう
白石さんの答え。

いったい白石さんてどんな人物なのか
東京農工大学小金井キャンパスまで、
足を運びたくなってしまいます。

それでは、最後にもう一つ。

【質問・意見・要望】
自分の自転車がパンクしたので
友達のを借りたら、
友達のもパンクさせてしまいました。

【お答え】
ご自身の不遇さを憂う
様子が伝わってきます。
パンクは破れた箇所を
修理すれば直ります。
お友達との関係が
破れていないのなら
良しとしましょう。

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