ナスを待つ

北側のベランダで一株育てている、
ナスさん。

毎日、コツコツ水をやり、時々肥料を追加。
非常に地味〜な作業だ。

これだけ世話をして、
収穫できるのは週に1、2本
というところだ。

正直、生産性は
決して良いとはいえない。

もし明日から急に、世界的な食糧難になり、
食べ物が手に入らなくなったとしても、
自給自足など遥か彼方である。

労力も水も使わずにすむよう
むしろ育てない方が
生存確率を上げるはずだ。

しかし、あえてそんな無駄とも不便とも
いえることをするのか?

私は収穫がしたいのだ。
それも自ら育てたナスを。

ナスの花が落ち、これから実が
膨らんでくるであろう。
あの気配がなんともいえない。

日に日に大きくなっていく君を
まだかなまだかなと
収穫を待ち焦がれるそれは、
子供がクリスマスを指折り数える
それに近い。

カモン ナス!

たとえ、一度に一本しか収穫できなくて、
オカズにするには足りないから、
スーパーで買ってきたナスと一緒に
揚げナスを作らなければならなくなり、
そもそもどれが自分が育てたやつなのか、
もはやわからない状態になったとしてもだ。

私は、収穫がしたいのだ。

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